こだわり

実直に丁寧に、
本物の和三盆糖を。

上品な味で有名な「和三盆」は、ひとくくりにされがちですが、実は製糖所によって、製法や原材料が異なります。

最上質の阿波和三盆糖づくりで何よりも大切なのは、原材料のサトウキビです。
このサトウキビは「竹糖」と呼ばれる在来品種で細くて小さいのが特徴です。
よって、沖縄などで栽培されるサトウキビより収穫量が少ないため、そこから作られる和三盆は大変希少なのものです。
服部製糖所では代々受け継いできた竹糖の苗を大切にし、徳島県内の自社畑及び契約農家で栽培しています。

時代は流れ、戦後安価なグラニュー糖が輸入されるようになり、
かつて徳島県にたくさんあった和三盆の製糖所は次々と姿を消し、今ではわずか3軒しか残っていません。

「いいものを作らなければ、作り続ける意味がない」と、
服部製糖所ではこの希少な竹糖のみを原材料とし、創業当時と変わらぬ味の和三盆を作り続けています。

竹糖ができるまで

1.収穫したものを種として保存します

竹糖は野菜のように種があるわけではなく、収穫した竹糖を種苗とし砂地に埋めて保管し、
これを翌春に掘り出し植えつけます。
服部製糖所では代々この竹糖の苗を受け継ぎ、大切に育てています。

2.植えつけ

砂地に埋めた竹糖を1本づつ掘り起こします。
そして手で丁寧に皮をむき、持ち運びしやすい大きさに切り揃え「種黍」にし、畑へ植えつけます。
このように30cm程に切った種黍を寝かせて植え付けます。

3.水やり

植え付けて数週間で芽がでてきます。
お天気の様子を見ながら、広い畑に水やりをします。

4.除草

竹糖は除草剤を使うと枯れてしまうため、すべて手作業で除草します。
特に梅雨の時期の雑草の成長は早く、畑がドロドロになるので除草をすることもできずただただため息の日々…。
お天気と雑草との闘いが夏の間中続きます。

5.背丈が伸びてきました

苦労の甲斐あり立派に竹糖が成長した頃、台風が襲ってきます。
倒れた竹糖は自力では起きることができません。
それどころか倒れた状態から上へと成長をするので曲がりくねった竹糖になってしまいます。
酷いものは成長をあきらめ根元からまた小さな芽を出しそれを成長させようとします。
それを防ぐ為に1本ずつ手作業で竹糖を起こしていきます。 更にパイプなどを組み立てて支えにします。

6.収穫

ようやく竹糖の収穫です。
1本ずつ手作業で根本よりポキッと折って収穫します。
竹糖の根元には甘みが詰まっているので出来るだけ鎌などは使わずに根元から収穫します。
収穫した竹糖は機械を使って皮をむきます。

こうして収穫した竹糖で仕込みをしていきます。

白下糖の仕込み

収穫を終えた12月中旬から、仕込みがはじまります。
連日まだ日が昇らない早朝5時から夕方まで、
熟練の職人たちが丁寧に和三盆糖の材料となる「白下糖」を仕込んでいきます。

搾り

収穫した竹糖はきれいに洗って機械で粉砕し、汁を搾ります。

灰汁抜き

竹糖の搾り汁は灰汁分を多く含んでいて、濁った緑色をしています。
釜の火加減を微妙に調整しながら沸騰させて、灰汁抜きをします。
次から次へと沸いてくる濁った灰汁を職人がつきっきりで、ひと釜ずつ丁寧にすくい取っていきます。とても根気のいる作業ですが、しっかり除くことが阿波和三盆糖の味の仕上がりを左右する大切な工程です。

煮詰め

灰汁を取った搾り汁の余分な水分を除く為に煮詰め、撹拌します。
大きな釜いっぱいにあった搾り汁も1割以下まで量を減らし、茶褐色のとろりとした白下糖になります。

冷やし甕

白下糖は小ぶりの陶器の甕に入れて粗熱を取り、冷却結晶化させます。
甕の中で寝かした白下糖は浅い茶色の半固形の状態になります。
この白下糖を精製して、和三盆へと仕立てていきます。

製糖

白下糖から蜜を抜き、乾燥させて製糖したものが「和三盆糖」です。
抜かれた蜜が「糖蜜」です。
機械が発達していなかった時代は、職人が手作業で研いで糖蜜を分離させていました。
現在では性能の良い遠心分離機によって和三盆の結晶と糖蜜を分離します。

和三盆には明確な規定がない為、原材料や製糖方法は製糖所によって様々で、それによって味わいも異なります。
私たちは、和三盆糖のおいしさを決めるのは、良質な原材料だと考えています。
竹糖にこだわるのはそのためです。

和三盆は湿気に弱く空気中の水分を含みやすい為、製糖後時間が経つと固形化してしまいます。
味に特別な変化はありませんが口溶けが悪くなってしまうため、業務用はご注文をいただいてから製糖します。
こうすることによって、より香り高く風味豊かで、ふわふわのパウダー状の和三盆糖をお届けすることができます。

服部製糖所は創業以来150年間受け継いできた製糖の技術を大切に守り、
昔ながらの阿波和三盆糖の風味豊かな味わいをお届けします。